6月

高野山上

  

 
1999年6月上中旬
ヒノキ林の林床(左)  ・  マタタビ(右)

六月に入り季節は初夏に、衣替えと言うわけではないだろうが、この時期申し合わせたように山は、白い花が目に付くようになってきます。中でもウツギ類が代表選手。

成長すると枝の髄(ズイ:白いスポンジ状の組織)が中空になることに由来している「空木」(ウツギ)、「卯の花」(うのはな)と呼ばれる方が親しまれてます。ユキノシタ科の低木。
旧暦の4月(今年は5月15日から)卯月(うづき)に開花することからこの名が付いたとか、いやいや卯の花が咲くから卯月とついたとか?
林の中にまで日が届くほどに、よく手入れされた林床にはコガクウツギ、その外側(マント・ソデ群落)や日当たりの良い道路沿いではウツギとヒメウツギが。
山内の寺院でも自然の実生苗が育ったものが良く見受けられます。やや大ぶりでアバレ気味なウツギより小ぶりで花の細かいヒメウツギの方が庭木としては好いかもしれません。「卯の花のにおう垣根に…」と歌われるように、生垣樹に使えるほど剪定や苅込にも耐えます。
アジサイ類とは近縁。

一見花を付けたかのようにも見えるマタタビのつる、この時期葉の一部が白くなります。どうやら花を付ける枝の葉が白くなるようです。「猫にマタタビ」と言われるように、猫はこの木がお気に入り、たちまちだらしなく酔っ払ったようになります。
疲れた旅人がこの実を食べると元気になり 「また旅」出来るようになると言うのが名の由来らしい、焼酎漬けにして果実酒、精力剤としては折り紙つきなんですが、味の方は…(>_<)です。
近頃実を取るのに太い幹の所から切り取ってしまうふとどき者が多く、道路沿いに立派に育った大株が少なくなってしまいました。困ったもんです。

ユキノシタ コガクウツギ
ウツギ ウツギ

ヒメウツギ ヒメウツギ
スイカヅラ ツクバネウツギ  
スイレン スイレン ヤマボウシ

ウスバヒョウタンボク ミズキ ヤマボウシ
同じウツギと名がつくツクバネウツギですが、こちらは花弁の根元が分れていない合弁花類スイカズラ科。
忍冬の字を当てるつる性のスイカズラも今が開花期、強めの甘い香りを放っています。
同じミズキ科ですがまったく花が似ても似つかない、ヤマボウシとミズキ。実はヤマボウシの花弁に見える部分は苞(ほう)が発達したもので花弁では有りません。山法師の字を当て、中心部の丸い部分を頭に、苞の部分を頭巾見立てて名付けられたと言われます。近年造園樹としても大変人気が有ります。
当園に30年ほど前親株を植え付け水が合ったのか今では300株にまで増殖、4月一杯花を一面に咲かせていたミズバショウも今は結実期、沼はシオカラトンボの楽園に。
シオカラトンボと結実期のミズバショウ
ジャケツイバラ エゴノキ ホタルブクロ

 

この辺りではシシモドシと言ったほうが名が通っている、マメ科つる性植物のジャケツイバラ。黄色のひときわ目立つ花を付けますが、旺盛に他に巻きつき、鋭く尖ったかぎ状のトゲが有って、猪突猛進のイノシシさえも後ずさりするそうな。

エゴノキ、試した事は無いのですがこの実をすり潰して水にまくと、魚が酔って浮いてくるので捕まえやすいと言います。年寄り達はチシャと呼んでる様ですね。一般的にヒートアイランドと化した都会では野生落葉樹類は弱いのですが、この木は比較的強健で近年造園樹としても人気が有ります。

  

 

アワブキ メウリノキ
ヤマツツジ クサイチゴ

 

晩春の景へ
夏の景へ

 

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